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第1項について
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(1)
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第1項柱書は、平成26年9月下旬には「春日居ライフピアマンション管理規約」
(乙1、以下「規約」という。)
15条に基づき定められた「春日居ライフピアマンションの使用及び共同生活の秩序維持に関する細則」(乙2、以下「旧使用細則」という。)
によって本件マンション内の駐車場が無料であったこと、同年12月に懇談会
(原告は「懇親会」と述べるが正確には「懇談会」である。)で有料化の話が出たことは認めるが、その余は不知。
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(2)
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第1項(1)は、概ね否認する。被告は、懇談会で駐車場利用者間に不公平が生じないようにしたいと述べただけである。
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(3)
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第1項(2)はアンケート4の結果、有料化賛成が39、反対が71、2台目有料が118であることは認めるがその余は否認ないし争う。
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(4)
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第1項(3)
は被告が駐車区画が不足していると述べたことは認めるがその余は否認ないし争う。平成26年当時、区分所有者は、被告理事会の許可を得れば2台目の駐車も可能であったが、許可を受けずに不正に2台駐車させていた者は、3名に過ぎず駐車区画の不足の主たる原因ではない。また,区分所有者の総数は376名である。さらに、区分所有者以外はアンケートに回答していない。
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(5)
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等1項(4)は否認ないし争う。上記の通りアンケートの回答は区分所有者が行っており、問題ない。
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第2項は、概ね否認ないし争う。懇談会は平成27年5月に開かれ、その懇談会の際原告が、駐車場不足緩和のため区分所有者が一戸ー台のみ駐車を可能にするべき等の持論を述べたことはあるが、被告はそれに対し有料化が必要であるとの見解にこだわっていない。この懇談会は駐車場の有料化について区分所有者の意見を聞くために開催されたのであり、懇談会で特に被告が有料化にこだわる必要はなかった。
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3
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第3項は、第38期通常総会議案書で駐車場有料化のため、旧使用細則の改定案である「春日居ライフピアマンション管理組合法人駐車場利用細則(案)」(乙6、以下「利用細則案」という。)」が提案されたことは認めるが、その余は概ね否認ないし争う。
平成27年8月8日以前は、規約15条
(駐車場等の使用)
において「区分所有者は、管理組合法人が管理する駐車場、自転車置場及びトランクルーム(以下「駐車場等」という。)の使用について、別に定める使用細則の定めるところにより使用することができる。」と規定され、駐車場の使用については旧使用細則で規定することになっていた。
そして、駐車場の有料化は、駐車場の使用方法に関する問題である。
したがって、駐車場の有料化は、規約の変更が不要であり、旧使用細則の変更で足りるものである。
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第4項について
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(1)
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第4項柱書は、否認ないし争う。
利用細則案が区分所有者のうち居住者(本件マンションを生活の本拠とする者)
及び1ヶ月に16日間以上利用する者を有料、その他のリゾート利用者(本件マンションを生活の本拠とせず、行楽時のみ短期間利用する者)を無料とする提案であることは認めるが、「居住者71名」、「その他のリゾート利用者120名」とする点は否認する。居住者は100戸近く存在する。
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(2)
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第4項(1)は、否認ないし争う。
建物区分所有者等に関する法律(以下「建物区分所有法」という。)30条1項は、建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分
所有者相互間の事項は、同法に定めるもののほか、規約で定めることができると規定しているが、使用細則で定めることを禁じていない。
なぜなら、同法30条1項は、駐車場等の附属施設の管理について、「規約で定めることができる」と規定するのみで、「規約で定めなければならない」と規定していないからである。
さらに、共有部分の管理は集会の普通決議で決定できるところ(同法18条1項)、区分所有者の共有に属する敷地の一部にもうけられた駐車場につき専用使用権を設定するか、専用使用権をどのような内容のものとするか、その得喪につきどのような定めをするかなどは、軽微な変更であり共有部分管理に当たるため、規約に定められなかった場合は、管理組合総会の普通決議によって決定することができる(福岡高等裁判所平成7年10月27日判決)。
そして、本規約は、共有部分等の管理である駐車場の使用について、規約で定めず使用細則で規定し、集会の普通決議で決定できるとしている(規約48(4),規約第47条1項,2項,3項(1)反対解釈)。
したがって、規約変更によらず、集会の普通決議による旧使用細則の変更
によって駐車場を有料化することは、同法30条1項及び同法18条1項に反しない。
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(3)
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第4項(2)は否認ないし争う。原告は、「駐車料について利用頻度が多
いほど安い、即ち、月極の場合数千円でも月極でない利用は一日千円程度が社会通念である。」と述べるが、そのような社会通念はない。また、原告は、居住者が月極有料駐車場を利用し、リゾート利用者が無料駐車場を使用することは社会通念に反すると主張するが、そのような社会通念はない。
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(4)
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第4項(3)は否認ないし争う。「本議案」は利用細則案を指すものと思われるが、利用細則案は、駐車場の使用頻度が高く利益を多く享受している居住者に一定の経済的負担を与え、使用頻度の少ないリゾート利用者に経済的負担を与えないことにより、利用者間の公平を図ろうとするものであり、何ら差別的議案ではない。
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(5)
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第4項(4)は、主張内容が不明確であるが、否認ないし争う。本件で問題となっている駐車場は、構造上一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分ではないため、一部共用部分に当たらない。
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5
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第5項について
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(1)
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第5項(1)は否認ないし争う。利用細則案は、区分所有者一戸につき一台分の駐車場の利用を認めるとともに、駐車場利用の利益をより多く享受する居住者につき有料化し、駐車場不足を解消しつつ利用者間の公平を図ったのである。
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(2)
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第5項(2)は否認ないし争う。日常的に使用している居住者から使用料を徴収することは社会通念に反しない。なぜなら、前述の通り日常的に駐車場を利用する居住者の方がリゾート利用者よりも駐車場から得る利益が大きいからである。
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6
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第6項について
第6項は、否認ないし争う。
「議案細則」は、利用細則案を指すものと思われるが、この利用細則案2条2項は、軽トラックの利用を禁じていない。
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7
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第7項について
第7項は否認ないし争う。
利用細則案が、建物区分所有法30条1項に反しないことは、第4項(2)で述べたとおりである。また規約には、駐車場の管理については細則で制定するように規定されているため、利用細則案は規約に反しない。
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8
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第8項について
第8項は否認ないし争う。
原告の主張は不明確であるが、第39期第1回臨時総会で提案された駐車場利用細則
(案)(乙7)は、第38期に適切に制定された利用細則を改定するものであり、改定手続も適切に行われた。また「一事不再議の原則」の内容が不明確であるが、建物区分所有法及び規約等は総会決議の「一事不再議」を規定していないため、原告の主張は前提を欠く。
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9
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第9項について
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(1)
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第9項柱書は否認ないし争う。主張内容が不明であるが、第39期の改正の主要な点は、①有料駐車場の駐車場所を先着自由選択制から固定制に変更②駐車場許可条件の明確化③駐車料金支払の明確化④「駐車場利用規
則」の廃止であった(甲6の2、乙6)。
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(2)
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第9項(1)は否認ないし争う。本件駐車場利用細則は共用部分の管理に関する規定に過ぎず、共有部分の効用の重大な変更に該当しないため、集会の普通決議で決することができる(法18条1項)。なぜなら、本件駐車場は、従前から駐車場として使用されてきたのであり、効用に変化が生じないからである。
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(3)
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第9項(2)は否認ないし争う。原告の主張は不明確であるが、区分所有者は376名である。
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(4)
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第9項(3)は否認ないし争う。規約第16条2項から駐車場が除かれている理由は、駐車場等の利用につき規約第15条が細則にゆだねているからである。また、本件駐車場利用細則が建物区分所有法30条のどこに反するのか不明であるので明らかにされたい。
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(5)
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第9項(4)は否認ないし争う。被告は駐車区画が105台分、居住者の利用が91台分であると述べたが(乙11)、その余の原告の主張は理由がない。第1項(4)で述べたとおり、アンケートには全ての居住者及びリゾート利用者が回答をしたわけではなく、原告が主張する27名という数は何ら意味がない。また、駐車場利用細則は不正利用者を正当化するものではなく、駐車場利用者の公平と駐車場不足の解消を図るものである。
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(6)
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第9項(5)(6)は、駐車場の一部が管理組合法人の所有地であることは認めるがその余は否認ないし争う。駐車料金は、新たに有料駐車場を整備するために発生する諸費用を考慮して判断されるものであり、特に近隣の駐車料金を調査した上で算定しており、徴収した料金は、外部に新たな駐車場を借りるための原資ともなっている。
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(7)
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第9項(7)及び(8)は不知ないし否認する。原告の主張内容が不明確であるが、原告の主張が本件とどのように関連するのか明らかにされたい。
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(8)
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第9項(9)は否認ないし争う。「この場合」とは、駐車料金を「調整金」とする場合を指すと思われるが、いずれにしても、駐車場利用細則により駐車場を一部有料化することは規約に反しない。
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第10項について
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(1)
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第10項柱書は否認ないし争う。「本議案」は駐車場利用細則案と思われるが、駐車場利用細則に規定されている事項はいずれも規約事項ではな
いので規約の変更には当たらず、建物区分所有法31条1項及び規約47条6項に該当せず、承諾は不要である。
また、被告は、第39期臨時総会の議決に基づき平成28年1月1日から細則を施行した。
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(2)
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第10項(1)は有料駐車場の利用申込み受付を11月16日から同月30日までとしたことは認めるが、その余は否認ないし争う。
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(3)
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第10項(2)は掲示をした事実は認めるがその余は否認ないし争う。
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(4)
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第10項(3)は否認する。
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(5)
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第10項(4)は内容証明郵便が被告に送付された事実は認めるがその余は否認ないし争う。
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(6)
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第10項(5)は否認する。原告が掲示物を撮影したことを理由として被告が何らかの対応をした事実はない。「従来の細則廃止等の文言を削除」とは、何から削除したのか、いつ有料区画が65になったのか明らかにされたい。
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第11項について
第11項は、否認ないし争う。
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